鼠経ヘルニアの治療法

鼠経ヘルニアの唯一の治療方法は、手術療法です。

鼠径ヘルニアは鼠経部の筋膜(筋肉)がゆるんで隙間ができてしまったために、本来はお腹の中にあるはずの腸が皮膚の下に飛び出してしまう病気です。

残念ですが現代の医学では、出てしまった腸を器具を使って抑えたり、薬を飲んだりしても治すことができませんし、放置していると腸が飛び出したまま戻らなくなってしまう可能性があるため、適切な時期に手術を受けることをおすすめしています。

鼠経ヘルニアの治療法

鼠径ヘルニアの治療方法は大きくわけて2つあります。

経過を見る

鼠径ヘルニアが小さい場合やポッコリと出る頻度が少なく、痛みがなく、日常生活に支障を与えない場合には、すぐに手術をせずに経過を見るケースがあります。
ただし、ゆるんで隙間ができてしまった筋肉が元に戻ることはありませんので、定期的に受診をしていただき、経過をみながら適切な時期に手術を受けていただきます。

手術を受ける

鼠径ヘルニアの唯一の治療方法です。
ゆるんでしまった筋肉の穴を人工補強材でふさいで、腸が飛び出してこないようにします。

ほかの病院では鼠径ヘルニアの手術で1週間前後入院するケースもありますが、当院では2泊3日の短い入院期間で、手術翌日に退院できる体に負担の少ない短期滞在外科手術をおこなっています。入院期間が短いからといって、痛みが強かったり、手術の質が悪かったり……ということはありませんのでご安心ください。

また土曜日も手術をおこなっており、学業や仕事への影響を最小限にできますので、忙しい方にも当院の短期滞在外科手術はおすすめです。

当院の鼠経ヘルニアの手術方法

当院の鼠径ヘルニアの手術は患者さんの体の負担を最小限にし、感染や再発を回避するために、『TEP法(腹腔鏡を用いた腹膜前到達法)』と『Direct Kugel法(前方到達法)』という専門性の高い鼠径ヘルニア手術を施行しております。

TEP法

TEP(テップ)法は腹腔鏡を用いた鼠径ヘルニアの手術方法で、腹壁内(お腹の外側)で人工補強材(ポリプロピレン製メッシュ)を用いてヘルニアの穴を閉じる方法です。腹腔鏡でおこなうため体の負担は少なく、1~3㎝くらいの傷が3か所できます。
腹壁の病気である鼠径ヘルニアに対して腹壁内で手術を完遂できるTEP法は、腸閉塞や臓器損傷といった腹腔内の合併症が非常に少なく、腹膜を開けないことから癒着の心配がないというメリットがあります。(TEP法は優れた術式でありながら習得が難しいとされ、国内で行われる手術の約10%程度にとどまります。

TAPP法

TAPP(タップ)法も腹腔鏡を用いた鼠径ヘルニアの手術方法ですが、TEP法とはことなりお腹の中(腹腔内)で手術操作をおこないます。傷の大きさはTEP法と変わりませんが、お腹の中で手術操作をおこなうため、術後の痛みが強くなったり、腹膜の癒着がおこるリスクが高いため当院ではおこなっていません。


https://www.h.ims.u-tokyo.ac.jp/gairai/depts-06.html より引用

Direct Kugel法

Direct Kugel法は人工補強材(ポリプロピレン製メッシュ)で穴の開いている部分を広く覆って補強してヘルニアの穴を閉じる方法です。手術ではお腹を1か所、3~4㎝くらい切開し、開けた穴から直接人工補強材を挿入し鼠経ヘルニアの穴を閉じます。

つくば市で鼠経ヘルニアの治療をするなら筑波胃腸病院へ!

鼠経ヘルニアは自分で治すことはできません。手術で完治する病気で、適切な時期の治療が必要です。

当院の鼠径ヘルニアの手術は、短期滞在外科手術です。23日の短い入院期間で、手術翌日に退院できます。土曜日も手術をおこなっており、学業や仕事への影響を最小限にできます。

鼠経ヘルニアの治療について、もっと知りたい方はこちらのページをご覧ください。

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