【さわってわかる】鼠経(そけい)ヘルニアの初期症状と受診すべきタイミング

鼠経ヘルニアは鼠経部のふくらみ以外に、違和感や痛みなどさまざまな初期症状があります。

鼠経ヘルニアの初期症状

鼠径ヘルニアは、足の付け根の筋肉の弱ったところから腸や筋肉・皮下組織・皮下脂肪が筋膜の間から外に出てしまう病気で、初期症状には次のような特徴があります。

  • 立ったり、力を入れたりすると片方の足の付け根に違和感を覚える
  • 足の付け根(鼠経部)にポッコリとしたふくらみがある
  • ふくらみは、出たり引っ込んだりする
  • 横になって力を抜くと引っ込む

鼠径ヘルニアの初期症状として感じる違和感を、「足の付け根が突っ張った感じ」「引っ張られているような感覚」「チクチクした痛み」と表現する患者さんもいます。
また、鼠径ヘルニアが大きくふくらむようになっても、自覚症状がない患者さんもいますので個人差が大きいのが特徴です。

鼠経ヘルニアかも?と思ったらさわってみよう!

足の付け根に違和感を覚えたり、片方だけポッコリとふくらんだり……もしかすると、その症状は鼠径ヘルニアの初期症状かもしれません。
実は鼠径ヘルニアの初期症状は、ご自身でさわって判断することができます。ここでは、鼠径ヘルニアかも?と思った方が、ご自身でさわる際に気を付けたい3つのポイントを紹介します。

さわってみてふくらんでいる、他の部分よりもやわらかい感じがする、皮膚がへこむような感じがするときは鼠径ヘルニアの可能性があります

なお今回ご紹介する3つのポイントは、ご自身で鼠径ヘルニアかどうかをチェックする簡易的な方法です。ご自身で鼠径ヘルニアかどうかを判断したり、受診・治療の必要性の判断に使用したりしないようにしましょう。

さわる“タイミング”

さわるタイミングは、ご自身で違和感を覚えたり、ポッコリとふくらんだ感じがしたりしたときがおすすめです。また、立っている時のほうが重力の影響で鼠経ヘルニアが出やすいため、立っているときにチェックしましょう。

さわる“場所”

鼠経ヘルニアの3つの種類

さわる場所はご自身で違和感を覚えたり、ポッコリとふくらんだ感じがするところです。具体的にどこかわからない場合は、図のそけい部をさわりましょう。

さわる“強さ”

さわるタイミングは、ご自身で違和感を覚えたり、ポッコリとふくらんだ感じがしたりしたときがおすすめです。また、立っている時のほうが重力の影響で鼠経ヘルニアが出やすいため、立っているときにチェックしましょう。

こんなときは受診を!鼠経ヘルニアの受診すべき5つのタイミング

「鼠経ヘルニアかもしれない……」 「もし鼠経ヘルニアだったら、いつ受診したらいいの?」
ご自身でさわってみて、このように思われた方もいらっしゃるかもしれません。では、鼠経ヘルニアを疑った場合は、いつ受診すればよいのでしょう。受診すべき5つのタイミングは次の5つです。

  • 痛みが強くてがまんできない
  • ヘルニアが出たままで元に戻らない
  • さわるといつもより硬い
  • 赤くはれている
  • 出たり戻ったりを繰り返す
痛みが強くがまんできない

鼠経ヘルニアの痛みが強く我慢できないときは、嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態になっている可能性があるため大至急医療機関を受診してください。
嵌頓とは皮膚の下に飛び出した臓器が元に戻らなくなって、穴の部分にはまり込んでしまった状態です。血液の流れが悪くなり、臓器が壊死してしまう可能性があるため、緊急手術が必要になります。

鼠経ヘルニアが出たままで元に戻らない

もし、鼠経ヘルニアが出たままで戻らなくなってしまったら、嵌頓している可能性が高いため注意が必要です。嵌頓のなり始めは、痛みがないケースがありますので、早めに医療機関を受診し整復して(腸を元に戻す)もらうようにしましょう。

ふくらんだ部分をさわるといつもより硬い

ポッコリとふくらんだ鼠経ヘルニアがいつもより硬いときは、臓器が嵌頓し血流が悪くなっている可能性があります。
床やベッドに横になって力を抜いた状態でも硬さが続く場合は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。

赤くはれている

鼠経ヘルニアの部分や周囲の皮膚が赤く腫れている場合は、感染症など何らかの炎症を起こしている可能性があります。早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。

出たり戻ったりを繰り返す

鼠経ヘルニアが出たり戻ったりを繰り返していると、ヘルニア門と呼ばれる穴が大きくなってしまうことがあります。そのため少し力を入れただけで、腸が出たり入ったりしやすくなります。
出たり入ったりを繰り返していると、いつか嵌頓してしまうリスクはゼロではありません。早めに医療機関を受診しましょう。

つくば市で鼠経ヘルニアの治療をするなら筑波胃腸病院へ!

鼠経ヘルニアは自分で治すことはできません。手術で完治する病気で、適切な時期の治療が必要です。

当院の鼠径ヘルニアの手術は、短期滞在外科手術です。23日の短い入院期間で、手術翌日に退院できます。土曜日も手術をおこなっており、学業や仕事への影響を最小限にできます。

鼠経ヘルニアの治療について、もっと知りたい方はこちらのページをご覧ください。

一般診療
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鈴木 隆二
鈴木 隆二監修 鈴木 隆二
筑波胃腸病院 理事長
経歴
  • 聖マリアンナ医科大学 卒業
  • 東京女子医大初期臨床研究センター 研修医
  • 東京女子医大消化器病 センター 外科 錬士
  • 東京女子医大大学病医学 研究科 博士課程修了
  • 東京女子医大消化器病 センター 外科 膵臓外科 助教
  • 医療法人筑三会筑波胃腸病院 理事長
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