監修 鈴木 隆二
筑波胃腸病院 理事長
経歴
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 東京女子医大初期臨床研究センター 研修医
- 東京女子医大消化器病 センター 外科 錬士
- 東京女子医大大学病医学 研究科 博士課程修了
- 東京女子医大消化器病 センター 外科 膵臓外科 助教
- 医療法人筑三会筑波胃腸病院 理事長
鼠経ヘルニアは自分で治すことはできません。
鼠径ヘルニアは鼠経部の筋膜(筋肉)がゆるんで隙間ができてしまったために、本来はお腹の中にあるはずの腸が皮膚の下に飛び出してしまう病気です。
ゆるんでしまった筋肉を自分で元に戻すことはできませんので、医療機関を受診し適切な時期に手術で穴をふさぐ必要があります。
鼠径ヘルニアを自分で治す方法として紹介されている、姿勢をよくしたり、力をかけないようにしたり、減量したりしても腸が飛び出す頻度を減らせるかもしれませんが、完治することはありません。
鼠径ヘルニアをそのままにしていると、嵌頓(かんとん)といって腸が飛び出したまま元に戻らなくなってしまう可能性があります。痛みが強くなったり、腸が元に戻らなくなったりして、最悪の場合腸が壊死してしまう状態ですので、可能な限り速やかに医療機関を受診し緊急手術ではまり込んだ腸を元に戻さなければなりません。
また、ゆるんだ筋肉を鍛えても筋肉の隙間はふさがりません。筋トレで鼠経の筋肉を強くして鼠径ヘルニアを治そうとする方がいますが、決しておすすめできません。その理由は、過度な筋トレは鼠経に圧力がかかる原因になりますし、鼠径ヘルニアの原因になっている筋肉だけを強くする方法はないからです。鼠径ヘルニアがさらに悪化する可能性がありますので、自分で治そうとしないことが大切です。
鼠径ヘルニアを自分で完治させることは難しいですが、ぽこっと飛び出てしまったふくらみを自分で戻すことはできます。
ここからは、ぽこっと飛び出してしまった鼠経ヘルニアを元に戻す方法を紹介します。
ふくらみを押して、痛みがある場合は絶対にそれ以上押してはいけません。筋肉の隙間に腸がはまり込んで嵌頓(かんとん)してしまっているかもしれないからです。この場合、無理に押してもはまり込んだ腸が元に戻ることはほとんどありません。無理に押すことでさらに隙間に腸がはまり込んだり、腸に傷が付いたりしてしまう可能性があります。すみやかに専門の医療機関を受診しましょう。
また繰り返しふくらみを元に戻していると、筋肉の隙間が大きくなってふくらみが大きくなったり、少しずつ腸が戻りにくくなったりすることがあります。この場合は、鼠径ヘルニアが悪化している可能性が高いため、早めに専門の医療機関を受診してください。
鼠径ヘルニアで何科を受診したらよいかわからない場合は、こちらのページをご覧ください。
鼠経ヘルニアは自分で治すことはできません。手術で完治する病気で、適切な時期の治療が必要です。
当院では、以下に当てはまる患者さんに鼠経ヘルニアの手術をおこなっています。
当院の鼠径ヘルニアの手術は、短期滞在外科手術です。2泊3日の短い入院期間で、手術翌日に退院できます。土曜日も手術をおこなっており、学業や仕事への影響を最小限にできます。
鼠経ヘルニアの手術について、もっと知りたい方はこちらのページをご覧ください。
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