いぼ痔とは?症状、原因、治療について解説

いぼ痔とは?症状、原因、治療について解説 hemoroids

いぼ痔(痔核)とは、肛門周辺の血管がうっ血してできたふくらみのことです。

いぼ痔を治療するには生活習慣や薬によって症状を緩和し、症状によっては手術を行う場合もあります。

この記事ではいぼ痔の症状や原因、治療法について解説します。


「いぼ痔に悩んでいる」
「いぼ痔が悪化していて痛いので、何とかしたい…」


このような方はぜひ、最後までお読みください。

なお、当院でもいぼ痔の治療に対応しています。

お悩みの方はぜひ一度当院にご相談ください。

いぼ痔とは?外痔核、内痔核の2種類がある

いぼ痔のイラスト 

いぼ痔とは痔核(じかく)とも言われる病気で、場所によって外痔核と内痔核の2種類に分類されます。

外痔核

外痔核とは歯状線よりも肛門上皮側にできる痔核(いぼ痔)のことです。いぼ痔が肛門の外側にある場合は、外痔核かもしれません。

肛門の外側は知覚神経がある皮膚のため、強い痛みが生じます。肛門周囲にある毛細血管が切れると、血豆のような外痔核(血栓性外痔核)となることもあります。

内痔核

内痔核とは、肛門の歯状線より内側にできる痔核(いぼ痔)のことです。

粘膜にできるため痛みはなく、そのため外痔核よりも気付きにくい病気です。排便時の出血や、排便時出てくるいぼのようなふくらみ(脱肛)で初めて気付くことが多いと言われています。

いぼ痔の症状

いぼ痔の主な症状は、肛門にできるいぼのようなふくらみや出血です。

いぼ痔の症状として、次のようなものがあります(※1)。

  • 痛み
  • 疼痛
  • いぼのようなふくらみ
  • かゆみ
  • 粘液の漏出

いぼ痔の場所によって、起こりやすい症状は異なります。外痔核、内痔核それぞれの症状をまとめました。

外痔核 内痔核
症状
  • 肛門の外側にいぼのようなふくらみ
  • 痛み
  • 出血
  • 排便時に出てくる、いぼのようなふくらみ
  • 排便時の出血
  • まれに大量出血することも

内痔核は症状の程度によって、4段階に分類されます(Golighter分類)。

通常、grade Ⅲ以上のいぼ痔は手術で治療します。

分類 症状
grade Ⅰ 排便時に肛門で留まり、脱出はしない
grade Ⅱ 排便時に肛門外に脱出するが、排便が終わると自然に戻る
grade Ⅲ 排便時に脱出し、指で押さないと戻らない
grade Ⅳ 常に肛門外に脱出し、指で押しても戻らない

(※1 参考)肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2020年版/改定第2版(日本大腸肛門病学会)

いぼ痔の原因

いぼ痔の発症は生活習慣と関連しています。いぼ痔になりやすい要素として、次の項目が知られています(※1)。

  • 排便回数が少ない、排便時にいきみがち
  • 慢性的に便秘または下痢
  • 重い物を扱う職業に就いている
  • 長時間デスクワークをする
  • 食物繊維の摂取量が少ない
  • 妊娠、出産を経験した

いぼ痔を予防し悪化させないためにも、日頃から肛門に負担をかけないよう注意しましょう。

(※1 参考)肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2020年版/改定第2版(日本大腸肛門病学会)

いぼ痔の治療

いぼ痔のイラスト

いぼ痔の治療方法は、次の3つです。

  • 生活習慣の改善
  • 薬物療法
  • 外科的治療

生活習慣の改善、薬物療法のような手術以外の治療を保存的治療と言います。

一般的に痛みに対してはまず保存的治療を行います。Golighter分類でgrade Ⅲ以上の内痔核や、保存的治療でも改善しない出血に対しては外科的治療が適応です。

治療法について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

生活習慣の改善

いぼ痔は生活習慣と深く関わっているため、改善するには肛門に負担のかからない生活習慣を続ける必要があります。

具体的には、次のことを心がけるとよいでしょう(※1)。

  • 水分、食物繊維を十分に摂取する
  • アルコールを飲み過ぎない
  • いきみ過ぎないよう注意する
  • 便意を催してから排便し、長時間便器に座らない
  • 便秘、下痢の場合はお通じを改善する
  • お風呂で肛門を温める
  • 長時間座り続けない
  • 体の冷えを避ける

(※1 参考)肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2020年版/改定第2版(日本大腸肛門病学会)

薬物療法

薬物療法にいぼ痔自体を小さくする効果はないものの、痛みや腫れ、出血など症状を緩和する効果を期待できます。市販薬もありますが、医療機関で医師に診断してもらった上で症状に合った薬を処方してもらうと安心です。

いぼ痔の薬物療法には肛門の状態や症状に応じて、軟膏や座薬、内服薬が使われます。軟膏や座薬には複数の成分が配合されているものもあります。

いぼ痔に使われる薬の成分について、一例をまとめました。

薬の種類 成分の例
塗り薬(外用薬) 軟膏
  • ステロイド
  • 局所麻酔薬
  • 抗菌薬
  • 止血薬
など
座薬
飲み薬(内服薬)
  • 鎮痛薬
  • 便秘薬
など

外科的治療

保存的治療(生活習慣の改善、薬物療法)でも症状が改善しない出血症状、Golighter分類でgrade Ⅲ以上の内痔核には外科的治療が適応になります(※1)。

いぼ痔の場所や症状の程度によって、適した治療は異なります。当院で行っている、いぼ痔の外科的治療をまとめました。

外科的治療 適応 特徴
ジオン注射(ALTA療法) Golighter分類でgrade Ⅱ、Ⅲ程度の内痔核
  • 薬剤を注射していぼ痔を固め、徐々に小さくする
  • 約1週間から1ヵ月ほどで完治
結紮切除術 内痔核・外痔核
  • 根本にある動脈を結んでから、いぼ痔を切除する
  • 当院では内痔核の結紮切除法とジオン注射を併用する場合も
ゴム輪結紮術 内痔核
  • いぼ痔をゴムで縛って壊死・脱落させる
外痔核切除 外痔核
  • 症状がひどい場合、保存的治療で改善しない場合に行う
  • 根治治療が期待できる

(※1 参考)肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2020年版/改定第2版(日本大腸肛門病学会)

当院でもいぼ痔の治療に対応しています

筑波胃腸病院には肛門科があり、いぼ痔の治療にも対応しています。ジオン注射による治療など、手術以外の選択肢も用意しています。

短期滞在外科手術にも対応しており、仕事や子育て、介護に忙しい方でも治療が可能です。


「肛門にふくらみができている」
「排便の時に出血する」


このようなお悩みがあったら、ぜひ一度当院へご相談ください。

症状や肛門の状態から、最適な治療法をご提案いたします。

一般診療
8:45〜12:00 ×
15:00〜17:30(受付17:00まで) × ×

鈴木 隆二

監修 鈴木 隆二 筑波胃腸病院 理事長

経歴
  • 聖マリアンナ医科大学 卒業
  • 東京女子医大初期臨床研究センター 研修医
  • 東京女子医大消化器病 センター 外科 錬士
  • 東京女子医大大学病医学 研究科 博士課程修了
  • 東京女子医大消化器病 センター 外科 膵臓外科 助教
  • 医療法人筑三会筑波胃腸病院 理事長

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